トビラシステムズ 特殊詐欺・フィッシング詐欺に関するレポート(2025年10月)
2025.11.26
詐欺SMSの文面ジャンル急増で5000種以上を確認、生成AI悪用の可能性
特殊詐欺やフィッシング詐欺の対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:明田 篤、証券コード:4441、以下「トビラシステムズ」)は、2025年10月に当社調査で確認された詐欺電話や詐欺SMSに関する独自調査レポートを公開します。(調査期間:2025年10月1日〜10月31日)
また、直近の当社調査で確認された傾向についてもお知らせいたします。
<調査サマリー>
◉ 迷惑電話の割合は国際電話が減少、一方で携帯電話が増加
◉ ニセ警察詐欺に用いられる携帯電話番号が増加
◉ 宅配事業者をかたる詐欺電話が急増
◉ 詐欺SMSの文面ジャンルが拡大、生成AI悪用で大量に作成か
◉ イベントが多い年末年始はSNS型ロマンス詐欺に注意
1.詐欺電話レポート
国際電話番号が減少し、携帯電話番号が増加
2025年10月に新たにトビラシステムズの迷惑電話番号データベースに登録された番号の種別割合は、国際電話番号が61.2%(前月比−4.4%)で前月より減少しました。一方で、携帯電話番号は前月から増加し、23.1%(前月比+11.0%)となりました。
特定IP電話番号(050番号)、固定電話番号の割合は横ばい傾向で推移しています。

携帯電話からのニセ警察詐欺と思われる着信が増加
ビラシステムズの調査では、2025年10月に携帯電話番号を発信元とする詐欺電話が増加しました。
特に、警察官などをかたる「ニセ警察詐欺」に用いられる携帯電話番号の増加が続いており、同月は先月9月から約2.7倍まで増加しました。

宅配事業者をかたる詐欺電話が急増
当社の調査で、2025年10月に着信件数が多かった国際電話の国番号は、上位からアメリカ合衆国やカナダなどの北米地域、国際プレミアムレート(注1)、イギリス、中国、韓国でした。

トビラシステムズの調査では、北米地域(+1)の番号を中心に、宅配事業者をかたった不審な国際電話の着信が増加し、「お客様の荷物に異常が発生しております」といった自動音声ガイダンスが流れるケースが多く確認されています。
自動音声に従って操作を進めてしまうと、個人情報やクレジットカード情報を聞き出される、あるいは現金をだまし取られるなどの被害につながる可能性があります。
また、様々な国番号を用いて、「ニセ警察詐欺」の電話も引き続き確認されています。
(注1)国際電話を使って海外の有料情報サービスにアクセスする仕組みで、通常の国際電話よりも高い通話料が発生する。
<参考資料>
ヤマト運輸を装った「自動音声電話」にご注意ください(ヤマトホールディングス)
https://www.yamato-hd.co.jp/important/info_251030.html
佐川急便を名乗る迷惑電話にご注意ください(佐川急便)
https://www2.sagawa-exp.co.jp/whatsnew/detail/2461/
日本郵便や郵便局を装った不審な電話にご注意ください。(日本郵便)
https://www.post.japanpost.jp/notification/notice/2025/1107_01.html
2.詐欺SMSレポート
詐欺SMSの文面ジャンルが拡大、生成AI悪用か
トビラシステムズの調査で、2025年10月に確認されたフィッシング詐欺のSMSの種別割合は、金融・決済サービスをかたる手口が増加し、52.3%を占めました。
一方で、宅配事業者をかたる手口は大幅に減少し、10.1%となりました。その要因として、宅配事業者をかたる詐欺SMSを拡散していたマルウェアの挙動が変化したことが考えられます。宅配事業者に限らず多様な文面の詐欺SMSが拡散されるようになり、多い日は5000種以上の文面が確認されました。その結果、「その他」に分類されるカテゴリの割合が急増し、37.1%に達しました。生成AIを悪用し、大量の文面が作成されている可能性があります。

クレジットカード会社をかたる詐欺SMSが目立つ
実在する企業やブランドをかたる詐欺SMSについて、2025年10月は「三井住友カード」や「Mastercard」など、クレジットカード会社をかたるSMSの発生が目立ちました。
また、ブランド名を記載しない汎用的な文面で宅配事業者をかたり、詐欺SMSをばら撒いていたマルウェアが、29日以降Appleをかたる文面に変化したことで、下旬はAppleをかたる詐欺SMSが増加しています。

<参考資料>
フィッシング詐欺にご注意ください(Mastercard)
https://www.mastercard.co.jp/ja-jp/personal/get-support/phishing.html
弊社を装った不審なメールやSMSにご注意ください(三井住友カード)
https://www.smbc-card.com/mem/cardinfo/cardinfo4010384.jsp
あなたのスマートフォンが犯罪のインフラに(2025年更新版)~生成AIにより巧妙化する偽SMS~(日本サイバー犯罪対策セン
https://www.jc3.or.jp/threats/examples/article-654.html
詐欺SMSの検知状況をリアルタイムに観測し可視化する「詐欺SMSモニター」で、詐欺SMSに関する最新情報をご確認ください。
詐欺SMSモニター
https://smon.tobila.com/
3.<トピック>イベントが多い年末年始はSNS型ロマンス詐欺に注意
SNSやマッチングアアプリで知り合った相手に、恋愛感情や親近感を抱かせ、信頼を得た後にお金をだまし取る「SNS型ロマンス詐欺」が急増中です。クリスマスや年末年始にかけて、SNSやマッチングアプリの利用が増えやすい時期には特に注意が必要です。
警察庁の資料によると、令和7年9月末時点で、SNS型ロマンス詐欺は認知件数3,964件(前年同期比+1,360件、+52.2%)、被害額376.0億円(前年同期比+102.1億円、+37.3%)と前年を大きく上回り、被害が増加しています。

【増加中の典型的な手口】
SNS型ロマンス詐欺は、以下の流れで金銭をだまし取るのが特徴です。
1.SNS・マッチングアプリで自然に接触
「日本語を勉強している」「真剣な交際相手を探している」など、親近感や恋愛感情を抱かせる話題で近づく。
2.数日〜数週間で恋愛感情を形成
毎日のメッセージで距離を縮め、「運命を感じる」「将来を考えたい」など甘い言葉で信頼を獲得する。インターネット上に公開されている写真や生成AIなどを悪用し、他人になりすました画像や音声、動画を送ってくるケースもある。
3.投資・支援を理由に金銭要求
「結婚のために資金が必要」「将来のための投資」「家族の治療費が必要」など、様々な口実で送金を要求。架空の投資サイトや暗号資産の購入に誘導するケースが中心。
4.出金トラブルを名目に追加請求
「手数料が必要」「税金支払いのため」など理由をつけ、より多くの金額を要求。最終的には連絡が途絶えて被害が発覚する。
<SNS型ロマンス詐欺の対策>
◉ SNSやマッチングアプリで出会った相手とは、すぐに連絡先を交換しない
◉ 「投資」「結婚資金」などお金に関する話題が出たら、一旦冷静になり詐欺を疑う
◉ 実際に会うことを避け続ける相手には慎重に対応する
◉ 少しでも「おかしい」と感じたら、家族や友人、警察(#9110)に早めに相談する
<参考資料>
警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/
4.トビラシステムズについて

テクノロジーで社会課題の解決を目指し、特殊詐欺やフィッシング詐欺、グレーゾーン犯罪撲滅のためのサービスを提供しています。詐欺電話・詐欺SMS等の情報を収集・調査してデータベースを構築し、自動でフィルタリングする「迷惑情報フィルタサービス」は、固定電話、モバイル、ビジネス向けに展開し月間約1,500万人にご利用いただいています。
<会社概要>
会社名 :トビラシステムズ株式会社
代表者 :代表取締役社長 明田 篤
証券コード:4441(東証スタンダード市場)
設立 :2006年12月
所在地 :愛知県名古屋市中区錦2-5-12 パシフィックスクエア名古屋錦7F
公式サイト:https://tobila.com/
<本件に関する報道関係のお問い合わせ先>
トビラシステムズ株式会社 広報担当
電話番号:050-3646-6670(直通)
お問い合わせフォーム:https://tobila.com/contact/







